Visual Studio で libclang.dll のデバッグ環境 その2
前回の続きです。
前回は、すでに libclang.dll をロードしているプロセスに対してアタッチしましたが、次は Visual Studio 上からプロセスを起動してデバッグしてみたいと思います。
今回は、Visual Studio から Python を起動して、libclang の Pythonモジュールのデバッグを行いたいと思います。
[環境]
- Visual Studio 2010
- Python 2.7
- llvm/clang 3.0(trunk)
[Visual Studio のソリューションを用意]
これは前回と同じです。
1.スタートアッププロジェクトの変更
ソリューションのプロパティを開いて、【シングル スタートアップ プロジェクト】から【libclang】を選択します。
これで、デバッグ実行時に libclang のプロジェクトが呼ばれるようになります。
[注意]
設定を変更してから llvm 自体のビルドを行う場合は【ALL_BUILD】に設定を戻す必要があるので注意して下さい。
2.libclang プロジェクトの設定
libclang プロジェクトのプロパティを開き【デバッグ】を選択して以下の様に設定を行います。
コマンド | python.exe へのパス |
---|---|
コマンド引数 | libclang を使用している .py のファイルパス |
作業ディレクトリ | libclang.dll へのパス( $(TargetDir) 等) |
例えば、
C:\Python27\python.exe D:\test\test.py
の様なコマンドで設定したい場合
コマンド | C:\Python27\python.exe |
---|---|
コマンド引数 | D:\test\test.py |
作業ディレクトリ | $(TargetDir) |
といった設定になります。
3.$PYTHONPATH の設定
Python から libclang が import できるように 環境変数に $PYTHONPATH を設定します。
変数名 | PYTHONPATH |
---|---|
変数値 | D:\LLVM\llvm\tools\clang\bindings\python |
[注意]
変数値のパスは、手元の環境に合わせて変更して下さい。
また、環境変数の設定後は念のため Visual Studio の再起動を行って下さい。
4.デバッグ実行
上記の設定が終わったら、通常の Visual Studio でデバッグを行うような形で、ブレークポイント等を設置して【デバッグ開始】をします。
これで、Visual Studio から Python を起動してデバッグを行うことが出来ました。
やったね!